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デザイナーがウェブサイト制作の全過程を直接主導する時、どのようなことが起こるのでしょうか？「美しいデザイン」と「コンバージョン率の高いランディングページ」の間のギャップがなくなり、視覚心理学やインタラクションデザイン、戦略的思考を活用して、ユーザーがサイト内で自然に振る舞うよう誘導できます。

デザインは、ウェブサイトを次のステップへ引き上げる強力なツールとして利用されます。しかし、いまだに多くのデザイナーがマーケティング成果と別に「綺麗なデザイン」を作る役割にとどまっています。この場合、開発者やマーケターが別々に最適化を進める間に、デザインの持つ本来の力を発揮できなくなることが多々あります。Conversion-driven design(コンバージョン重視デザイン)はこのギャップを埋め、デザイナーがアイデア構想から最終ローンチまで全過程を主導して進めることを可能にします。

ユーザーのコンバージョンルートを誘導するレイアウト作り

デザイナーとして新しいUXトレンドや機能に惹かれるのは当然ですが、トレンディーな視覚機能がコンバージョン率を下げることがあります。ユーザーのコンバージョンルートを誘導するデザインをする必要があります。

1. ユーザーのルートを辿り必要なものだけを残してください

ユーザー中心レイアウトを設計するには、まずユーザーがどの順序でページを探索するのかを把握する必要があります。インタビューやヒートマップ、クリックルート分析を通じてユーザーが欲しい情報、不快に思うこと、持っている疑問を把握してみてください。

以下の内容を基に論理的な流れを構成してみてください。

• 明確な価値提案から始める

• 事例研究やレビューなどの社会的証拠提示

• 想定される反対意見を事前に解決

• 自然にCTA(Call to Action)へ導く

2. 視覚的要素でユーザーの行動を誘導してください

色彩と対比でCTAを強調する方法を用いる前に、以下の情報を知っておくのが役立ちます。

1. 「最もコンバージョンの良い」ボタンカラーは存在しません。ある研究では赤色ボタンを、他の研究では青色ボタンを推奨していますが、特定の色合いよりも背景色との対比が非常に重要です。

2. 色彩一貫性は色彩心理学より重要です。ブランドパレットを活用して最も強烈でコントラストが強い色をCTAに使用し、全体に一貫性を持たせれば、ユーザーは何を選ぶべきか簡単に判断できます。

3. 対比を作るにしても必ずしも明るい色を使用する必要はありません。時には重要な要素の周囲にスペースを作ることが重要です。余白は強烈な色と同じくらい視線を引きつけるのに効果的で、特にクリック誘導文句を他の要素と分けるために戦略的に使用するとさらに効果的です。

ランディングページで視覚的にCTAボタンが目立つか確認してください。もし目立たないなら、コントラストの高い色に変更し、CTAボタンには余白を設けてユーザーがCTAボタンを見逃さないようにするべきです。

3. コンバージョン率が低い時は目的に集中してください

コンバージョン率が低いなら「もしかしてこれを解決できる隠された解決策があるのでは？」と考えるかもしれません。しかし実際には最大の原因はデザインの目的の欠如（ユーザーが何を求めているか理解していない）または説得力の不足（ユーザーがなぜこの行動を取るべきか納得できない）かもしれません。

UXデザイナーのデイビッド・カダヴィは「私が見た成功したランディングページは、ユーザーに次に行うべき作業が何なのか視覚的に非常に明確であるという共通点を持っていました。」と語っています。このようにユーザーに望むものが何なのかどのように説得するかを明確に決めることが重要です。

目的あるインタラクションを戦略的に活用する

ウェブサイトには多くのインタラクティブ要素がありますが、すべてがコンバージョン率を上げるのにプラスの効果をもたらすわけではありません。コンバージョンに焦点を合わせたデザインで重要なのは インタラクションが単なる装飾ではなく実質的にユーザーの旅を助けるかどうかということです。

1. 目的に合ったマイクロアニメーションに集中してください

良いインタラクションデザインは目に露骨に見えるものではありません。ユーザーの注意を引くことなくユーザー自らがインタラクションに近づいて目的を達成できるように助けます。各マイクロインタラクションはユーザーが望むアクションに近づく手助けができる明確な目的を持っているべきです。
次の部分を考慮してみることをお勧めします。

• 重要な行動を引き出す必要がある要素を更に強調する

• ロード中にユーザーが感じる待ち時間を短くする

• ユーザー行動に応じて即時フィードバックを提供する

• 訪問者の注意を重要なコンバージョンを引き出すべき要素に誘導する

• ユーザー入力が受信されたか確認する

2. 消極的なユーザーを積極的なユーザーに変えてみましょう

コンバージョン率を指し示す指標は何でしょうか？いくつかの良い答えがありますが、最も関連性が高い指標の一つはサイト滞在時間です。サイトに長く滞在するユーザーは信頼を築き、購入前に質問を受け、製品/サービスがどのように問題を解決するのかを理解する時間が多くなります。

インタラクティブなコンポーネントはサイト滞在時間を伸ばすだけでなく、ユーザーが製品の説明を読むだけでなく、実際に製品の利点を経験できる時間を提供すると、その時間の質も改善されるでしょう。

次の方法でユーザーの参加を促す方法を見つけてみることをお勧めします。

• 静的な価格表をインタラクティブなROI計算機に置き換え

• 一般的な推薦をパーソナライズされたクイズに変換

• ユーザーが製品を事前体験できるインタラクティブなデモを作成する

• 機能一覧をインタラクティブなショーケースに変換する

コンバージョンのためのレスポンシブデザイン実装

多数の「レスポンシブ」ウェブサイトは依然としてモバイル機器を付加的な要素と見なしています。モバイルデザインでは文字や要素をデスクトップよりも少し縮小し、いくつかの要素を隠すことにとどまりません。しかし、このデザイン方法はまさにデバイスごとユーザーごとに目標と行動が異なるという基本的な事実を見落としている方法です。

コンバージョンを目指したレスポンシブデザインは、画面サイズだけでなくユーザーの文脈に合わせて調整する必要があります。これを実現するには、人々がさまざまなデバイスでサイトを実際にどのように使用しているかについて考えることを優先しなければなりません。

1. モバイルから始め、各状況に合わせて最適化してください

モバイルを優先して制作する方式は数年前から最優先されてきましたが、多くのデザイナーが依然としてこれを誤解しています。最初から小型デバイスの環境に合わせて開発するのではなく、デスクトップ体験から不要な部分を取り除いてモバイルに合わせてデザインする方式といえます。

モバイルユーザーの場合、三つの重要な要素に集中することをお勧めします。

• コンバージョン率を高めるコンテンツを優先してデザインする

• 片手で簡単に操作できるほどの大きさのタップ要素を作る

• 変換されるプロセスから不要な段階を削除する

すべての決定はモバイル環境を考慮する必要があります。ユーザーは画面を見ながら注意がそれることも多く、通常片手を使用してウェブサーフィンをするという点を覚えておくことをお勧めします。また、さまざまな接続速度を考慮しなければならないので、ロード時間に大きな影響を与えるデザインは避けた方が良いです。

Framerはレスポンシブなフォントサイズ と使用可能なデバイスに応じて柔軟に反応するスタックベースのデザインを通して、多様な画面サイズに合わせて簡単にデザインできるようにサポートしています。また、すべてのブレイクポイントデザインを一つの編集画面で確認できるため、各デバイスごとの体験を改善するために要素を簡単に追加および削除できます。またブレイクポイント継承機能を使用すると、基本ブレイクポイントに適用されたすべての変更が他のブレイクポイントにも自動的に適用されます。

2. デスクトップスペースを戦略的に活用してください

ユーザーがデスクトップに切り替えると画面スペースが広くなりますが、だからといってコンテンツでいっぱいにしようとしてはいけません。代わりに、広くなったスペースを活用してデバイスでの変換プロセスで発生するコンテンツ間の摩擦を減らすことをお勧めします。

デスクトップでは以下のような利点があります。

• 一度により多くのオプションを表示するマルチカラムレイアウトの制作が可能

• 追加クリックなしで追加情報を表示

• ユーザーを導くための洗練されたホバーステートを実施可能

レスポンシブの目標はデバイスごとに完全に異なる体験を作るのではありません。追加されたスペースを活用して変換をさらに容易にすることを目指してデザインすることをお勧めします。

3. レスポンシブでコンバージョンを低下させるミスを防ぐ

さまざまなレスポンシブデザインでウェブサイトデザインをチェックする際に次のような一般的なコンバージョン障碍要素に注意してください。

1. モバイルでCTAを隠さないよう注意してください: モバイルでCTAが下に隠れるとコンバージョン率が低下します。

2. 複雑なレイアウト形式を使用しないように注意してください: デスクトップでは正常に動作する形式がモバイルではコンバージョン率低下の原因となることがあります。小さな画面ではフィールドを一つ追加するたびにユーザーの離脱リスクが急激に増加するという点を念頭に置いてください。

3. 非常に小さいフォントやボタンを避けてください:ユーザーがテキストを読んだり支払いボタンをクリックするためにズームイン/アウトをしなければならないことでコンバージョン率を急速に低下させます。

レスポンシブデザインを単なる技術的なデザインとしないようにしてください。ユーザー体験を常に考慮し、単にさまざまな画面で「作動」するようにするのではなく、すべてのデバイスでレスポンシブに変換されるようにしてください。

性能をデザインの一部に考慮してください

ウェブサイトのパフォーマンスは単に開発者だけの領域ではありません。ページロード速度が遅いとユーザーはサイトを離れることがあり、これはすぐにコンバージョン率低下につながることが多いです。デザイナーも性能最適化に貢献できる部分があります。

• 画像の最適化：SVGはアイコンとロゴ、JPEGは写真、PNGは透明度が必要な複雑な画像に適しています。WebPは最新のブラウザで効率的な圧縮ファイルを提供します。Framerは基本的にAVIF変換を通じて容量を減らし、デバイスごとに最適化された画像を自動提供します。

• アニメーションの最適化：過剰なアニメーションはサイト速度を遅くします。研究によると、ローディング速度が100ms遅れるとコンバージョン率が最大7%減少する可能性があります。必ず必要な場合にのみ軽く適用してください。

• コンポーネントの再利用：コンポーネントベースのデザインはブラウザキャッシュ効果を最大化し、再訪問速度を向上させます。これは一貫したユーザー体験を保証します。

大部分のデザイナーは性能最適化を開発者に任せます。しかし、これはコンバージョン率を低下させるミスです。ページロード速度が遅いとユーザーは離脱します。そしていくらコンバージョンデザインをよくしてもユーザーが見る機会さえないサイトを救うことはできません。

デザイナーはデザインプロセス初期に下す選択を通じて結果にかなりの影響を与えます。このような選択が効果を発揮する方法を紹介いたします。

1. 品質を落とさずに画像を最適化

イメージは一般的なウェブサイト容量の半分以上を占めます。また、多くのデザイナーが妥協を嫌う部分でもあります。目立つ品質低下なしに性能を大幅に向上させる方法を紹介します。

• アイコン、ロゴ、および単純なイラストレーションにはSVGを使用してください

• 透明のない写真および複雑な画像の場合はJPEGを選択してください。

• 複雑な画像に透明性が必要な場合にのみPNGを選択してください。

• 最新のブラウザでより良い圧縮のために代替機能を備えたWebPを使用してみてください。

Framerは画像の最適化を自動で処理し、これらすべての作業をより簡単にしてくれます。性能を最大化するために大部分の画像はAVIFフォーマットに変換されて約20％小さなサイズで提供されます。各画像は画面サイズに応じて自動的に調整されてブラウザに自動的に提供され、Framer設定で特定の画像解像度を手動で調整することもできます。

2. 軽いアニメーションを使用してください

派手なアニメーションを追加することはユーザーの参加を高める方法になる可能性がありますが、派手なだけでサイト速度を低下させるならコンバージョン率にも悪影響を与えることを注意しなければなりません。研究によると、ページの読み込み時間が100ミリ秒だけ遅れてもコンバージョン率が最大7％減少する可能性があります。

インタラクティブな要素を追加する前と後でパフォーマンステストを実行し、速度があまりに遅くなっていないかを確認してください。アニメーションがロード時間に100ms以上追加されるなら、サイトがどんなに美しく見えてもコンバージョン率を上げる価値がないかもしれません。

アニメーションを軽く維持しながら、ユーザーが感じるロード時間を減らすのに役立つロードアニメーションが何なのか様々なアニメーションを試してみてください。

3. 再利用可能なコンポーネントシステムの構築

コンポーネントベースのデザインを使用すれば、一貫性とパフォーマンス上のメリットの両方を得られます。コンポーネントを再利用するとブラウザがそれを効果的にキャッチし、再訪問者の読み込み時間を劇的に改善します。

すべてのページにカスタムデザインを作成する代わりに、最適化されたコンポーネントライブラリを試してみる方が、はるかに体系的な方法かもしれません。このアプローチはコードの浪費を削減し、より密度の高いユーザー体験を提供し、全体的なUXを加速させます。

データに基づいた継続的改善

多くのチームはサイトを一度作成したまま放置するか、感覚に頼って改善を行います。しかし、コンバージョンを重視したデザインは データを活用したフィードバックループを通じて継続的に発展させなければなりません。

利用可能なデータ指標は次の通りです：

• ユーザーパス分析：コンバージョン直前または離脱前の行動を把握

• デバイス別コンバージョン率：特定の環境でコンバージョンが下がっているか確認

• フォーム入力完了率：どの入力項目が離脱を引き起こしているかを分析

• CTAのクリック率：ボタンが十分に効果的か確認

• スクロール深度：重要なコンテンツが実際に読まれているか確認

• 離脱ページ：コンバージョン前にユーザーが離れる地点を把握

FramerのようなノーコードプラットフォームはA/Bテストを素早く繰り返すことができ、リアルタイムでデータを反映した改善が可能です。改善する際には 影響が大きい改善を優先して適用することが重要です。

推測ではなく実際のデータに基づいてデザインを進化させてください。

ほとんどのチームはサイトをデザインしてリリースした後、次のプロジェクトに移ります。あるチームは時々サイトを調整しますが、直感や主観的な意見、または最も声の大きい人の意見に従って調整します。両方のアプローチは多額の費用を発生させます。

継続的なサイト改善のためのフィードバックループを形成するためには、データ駆動型デザイン戦略の確立が重要です。コンバージョンプロセスで摩擦が発生している以下の兆候に注目してください。

• ユーザーパス分析：ユーザーが画面を移動したり離れたりする前に取り得た正確なルートを示します。

• デバイスごとのコンバージョン率：レスポンシブデザインが特定の画面で失敗しているかどうかを示します。

• フォームフィールド完了率：ユーザーが特定のフィールドを完了したか、放棄したかを調べ、サイトを離脱させるフィールドを特定します。

• CTAのクリック率：基本的なCTAボタンが動作しているかを知ることができます。

• スクロール深度：スクロールで重要なコンテンツが表示されないかどうかを示します。

• 終了ページの分析: 終了ページの分析を通じてユーザーがどのウェブページを離れているのかを知ることができます。

• 初回操作までの時間: 最初のインタラクションまでの時間は、ユーザーが何をすべきか理解したかどうかを示します。

ノーコードデザインプラットフォームを使用すると、開発者のA/Bテストを待つ必要なく、反復作業をすばやく進めることができます。毎回変わるコンバージョン最適化スプリントの代わりに、実際のユーザーデータに基づいて継続的に改善し、時間が経つに連れコンバージョン率における複合的結果を得られます。

すべての変化が同様に作られるわけではないという点を覚えておくのが良いです。したがってコンバージョン率に最も大きな影響を与える可能性がある変化を優先することが重要です。

デザインをコンバージョンの武器にしてください

単に綺麗なサイトを制作することを超えて、このサイトをビジネスの成果として結び付けるように設計してみてください。デザイナーが全体の制作を主導すれば、創造性と戦略性を同時に持続でき、これは競争力となるでしょう。

Framerを活用してコンバージョン重視のウェブサイトを練習し、作成してみてください。素早くスタートして、継続的に改善し、実質的な成果を生み出すことができるでしょう。

本記事はFramer公式ブログの『5 conversion-driven web design tactics to boost your website’s ROI』を翻訳・脚色したコンテンツです。